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東京地方裁判所 昭和42年(特わ)597号 判決 1968年7月13日

国籍

中国

住居

東京都中野区中央四丁目二五番一四号

会社役員

廖玉瑞

一九二三年六月一日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官川島興出席の上審理して次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役三月および罰金二五〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金二万五、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

本裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、東京都新宿区柏木一丁目一五三番地(昭和四一年五月まで)に居住し、同区新宿三丁目一七番地において、喫茶店「新宿苑」およびスマートボール遊技の「みつまた遊技場」を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、売上の一部を正式に計上せずにこれをもつて自己の架空名義の普通預金や簿外定期預金などを設定したり、日本邸宅株式会社その他に対する簿外の貸付金に運用したりする等の不正な方法により所得を秘匿した上

第一  昭和三九年分の実際課税総所得金額が一五、七九九、〇〇〇円あつたのにかかわらず、昭和四〇年二月二三日東京都新宿区柏木三丁目三一二番地淀橋税務署において、同税務署長に対し、課税総所得金額が三、八一八、八〇〇円で、これに対する所得税額は一、一七五、五二〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて正規の所得税額七、三三七、四〇〇円と右申告税額との差額六、一七一、八八〇円を免れ

第二  昭和四〇年分の実際課税総所得金額が一五、九二五、〇〇〇円あつたのにかかわらず、昭和四一年三月一日前記淀橋税務署において、同税務署長に対し、課税総所得金額が五、〇七五、〇〇〇円で、これに対する所得税額は一、七三一、七五〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて正規の所得税額七、四〇六、七〇〇円と右申告税額との差額五、六七四、九五〇円を免れ

たものである。

(判示各事業年度における申告および実際所得金額、については、別表第一および第二の修正貸借対照表のとおりである。)

(証拠の標目)

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書七通ならびに上申書六通

一、大蔵事務官中川善弘作成にかかる

イ、株式調査資料

ロ、銀行調査書―銀行別預金借入金種類別調査書

ハ、銀行調査書―当座勘定元帳写

ニ、銀行調査書―銀行預金利息調

一、大蔵事務官佐野雄志作成の定期通知預金系統図

一、大木寛、宇田川清蔵、小林幸一郎、酒巻俊夫、林炳文、岩切貞(二通)、盧瑞春、青山美千代、廖正河作成の各上申書

一、高橋義範の大蔵事務官に対する質問てん末書六通および昭和四三年六月二七日付上申書

一、大蔵事務官鈴木正本作成の証明書

一、押収にかかる次の証拠物件(当庁昭和四三年押第四二九号以下カツコ内は符号番号)元帳四綴(1の1、1の2、2の1、2の2)、領収証一袋(5)、金銭出納帳一冊(6)、会長橋場町自宅関係書類(7)、昭和三八年度ないし昭和四〇年度元帳三綴(8の1ないし3)、金銭出納帳一冊(12)、青色申告書々類綴一綴(17)、昭和四〇年分および昭和三九年分の各申告書綴(16、18)

(法令の適用)

被告人の判示第一の所為は、昭和四〇年法律第三三号所得税法附則第三五条により改正前の所得税法六九条一項に、判示第二の所為は、昭和四〇年法律第三三号所得税法二三八条一項一二〇条一項に各該当するが情状により懲役刑と罰金刑とを併科し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、懲役刑については、同法四七条本文一〇条により犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重をなした刑期の範囲内で、罰金刑については同法四八条二項に従い合算額の範囲内で被告人を懲役三月および罰金二五〇万円に処する。なお、右罰金を完納することができないときは同法一八条により金二万五、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置し、同法二五条一項を適用して本裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 小島建彦)

別表第一

修正貸借対照表

廖玉瑞

昭和39年12月31日

<省略>

別表第二

修正貸借対照表

廖玉瑞

昭和40年12月31日

<省略>

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